阿弥陀如来坐像

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この像は、赤尾地区の氏神白山神社のご神体として祀られている。白山は、越の大徳と仰がれるた泰澄が開いたと伝えられている。泰澄の白山登頂によって開かれたのがいわゆる白山三所権現で、御前峰には本地仏として十一面観音が祀られ、別山には聖観音が、また大汝峰の神は老翁の姿で現れ、その本地仏は阿弥陀如来とされている。北潟の古刹安楽寺も泰澄の開基とされ、紫雲にのった老翁が現れ、そのお告げによって開基したとの伝承がある。
 この阿弥陀如来坐像は、弥陀定印の上品上生印を結び、高さ26cm、肘張18cm、膝張26cmの小像ながら、ご神体として祭られていたので、燻煙にさらされることなく、数層の精緻な台座も含めて遺存状態も良い。眼の部分を彫りぬき、水晶を内側からあてた玉眼手法をとり、優れた写実性のもとに世俗的な感じで表された鎌倉時代の特徴がみえて、現存する白山信仰関係の本地仏のなかでも古い遺例の一つである。